日々の読書記録など
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『冬の喝采(上、下)』 
2011-01-28 Fri
冬の喝采
『冬の喝采(上、下)』 講談社文庫 黒木 亮 (著)

運動は苦手だが、なぜか長距離走だけは得意な少年。そんな少年が早稲田大学競争部の準部員として入部し箱根駅伝で2年連続走る。同期は当時のスーパースター瀬古利彦。怪我と故障に苛まれながらも目標である箱根駅伝に向かって毎日の練習に耐える。大学卒業後は企業に就職し走ることを終えるのだが、その30年後、始めて実父、実母に会い実父は明治大学の箱根駅伝の名ランナーであったことを知らされる。

著者は世界を舞台にした経済小説を多く書いて何冊か読んだことあるが、このような本は始めて。
主人公は著者であり自身も含め登場人物は全て実名、殆どノンフクションの自伝的小説。
強烈な個性の持ち主である故中村監督と部員とのやりとりが笑えた。爽快な感動をあたえる本であった。
ジョギングとかマラソンに興味があればお薦めです。
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『潜入ルポ アマゾン・ドット・コム』
2011-01-25 Tue
アマゾンドットコム
『潜入ルポ アマゾン・ドット・コム』 朝日文庫 横田 増生 (著)

ノンフィクションライターである著者が2003年から2004年にかけて千葉県のアマゾンの倉庫でバイトとして働いた内容。 単行本として出版した後、文庫本にするにあたり大幅に加筆されており、その加筆部分は今現在のアマゾンや電子書籍についての考察である。
その当時は時給900円で本の受け入れ、ピッキング(注文本の取り出し)配送作業がバイトの仕事であり全従業員の9割がバイトであったようだ。 作業自体は軽作業であるが1分間に3冊ピッキングというノルマが課せられ全ての作業はシステムに登録されるのだ。 もちろん効率の悪いバイトに対しては2ヶ月に一度の契約更新はなしということになる。もちろん効率がいいからといって時給が上がるわけでもなく社員に採用されるわけではないが。そもそもピッキングで専門の社員などいるわけないが。その後時給は850円になったそうだ。
つまりは1年間普通に働いただけでは年収200万には届かないことになる。『アリとキリギリス』イソップ童話だったかこの物語が頭に浮かんでしまった。 アリはいくら働いてもけっして経済的に裕福にはなれないのだ。まるで現代版女工哀史、蟹工船の世界ではないかと思ってしまう。
まさしくアマゾンには今の日本社会が陥っているデフレスパイラルの構造がすっぽりと当て嵌まっている気がする。

最近ではiPADなどの電子書籍も話題になっているが、本の値段も安くなり部数も伸びて利用者、出版社、作家、アマゾン共に マスコミが言っているようにみんな得しているのだろうか?いいことばかり? 
その当時は1500円以上の注文で送料が無料になる時代であり、その金額に合わせて値段もつけらる書籍もあるようだ。 今後この業界がどのように変遷していくかはわからないが、現在の再販制度も含めた本の流通業界は既存のシステムの変更を余儀なくされそうだ。

最近iPADを持つ人をちらほら見かけるようになったが、ほんとうに1000ページとかる小説とか読んでいるのかな~? 私は仕事で参考資料だとかマニュアルなどWEBで検索して参考にはしているが、何ページにもなる資料だとモニター画面では読みづらくて一度印刷してマーカーつけたり付箋紙を貼って読んでいる。これはたぶん自分が古い人間なのだろうか、今の人は画面を見ただけで頭に入るのだろうか。
こんど誰かに聞いてみよう。
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『無縁社会』
2011-01-21 Fri
無縁社会
『無縁社会』 文芸春秋 NHK「無縁社会プロジェクト」取材班 (著)

高校3年のとき受験で博多の親戚の家に泊まったときに、その大叔母さんとは初めて会ったのだが「よく世間では『遠くの親戚より、近所の人』なんて言ってるけどけしてそんなことはない、遠くにいても血の繋がりというのは非常に大事なもの親戚を大事にしなさいよ。 なんだかんだ言っても最後に骨を拾ってくれるのは親戚しかいないのだから。」いまでも鮮明に記憶に残っている言葉である。
私も歳を重ねるにつれ、その言葉が実感として思い出される。 そしてこの本を読みながらつくづく「そうだな~」なんて思ってしまった。

急速に進む高齢化社会、今後ますます孤立死が増えていくのは必至だろう。伴侶がいたとしてもどちらかが先に逝ってしまえば核家族化、単身化した世の中では一人で誰にも看取られず亡くなってしまうことはけっして珍しいことではないだろう。この本を読むとなんともいえない寂寥感を感じるが、所詮一人であの世へ逝ってしまうのだからあまり将来に対する不安や寂しさを持っても仕方がないのではと思う。孤立や無縁が問題というよりも、そのことに対して不安や恐怖を抱いている人々が多くなった社会構造が問題であるのかもしれない。30代、40代の人でも将来孤立死するのではないかと漠然とした不安を抱えている人が多いようだが、あまり考えると鬱や引きこもりになってしまうのではないだろうか。

2年程前から親が携帯電話をもつようになりメールは無理だが通話は家族割引なのでいくら話してもただ。これで両親との距離は非常に短くなったような気がする。インターネットでは相手の感情まで判断するのは難しいが、携帯電話をうまく利用すれば孤独死・無縁社会などある程度は改善されるかもしれない。
高齢者には携帯を無料で提供したらどうだろうか? 無理だろうけど。
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『連戦連敗』
2011-01-19 Wed
連戦連敗
『連戦連敗』 角川書店 深井 律夫 (著)

経済小説。カメラのフィルム業界を題材に日本と中国のフィルム企業の買収劇を描いた小説。
非常~に面白い、私が今まで読んできた経済小説の中でもダントツに面白い。
「幸田真音氏絶賛」と書いてあった。幸田真音氏の本もいくつか読んだことあるが幸田真音氏に比べはるかに面白い。
著者が中国について詳細かつ丹念に調べていることがよくわかる。しかし色々な資料を読み込んだだけではここまで書けないであろう。
著者の紹介で現在は銀行員と書かれてあるが、リアルに中国ビジネスに関わっているからこそ書ける内容だと思う。
次回作はEV自動車に関わる内容であるようなことが書かれてあった。
この本はデビュー作であるが是非次回作も読んでみたい。(次回作が期待外れでないことを祈る)
中国ビジネスや経済小説に興味があれば、お薦めの一冊である。
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『日教組』
2011-01-17 Mon
日教組
『日教組』 新潮新書 森口 朗 (著)

日教組の歴史を解りやすく解説した内容。著者は日教組を徹底的に批判しているわけではないが、民主党政権になったことにより日教組よりの政策がとられるようになったことを危惧してこの本を書いたと述べている。
教育界では常識のH2Oなる言葉があるようだ。 H2Oとは北海道、広島、大分県の3つが日教組の影響力が強い県ということらしい。H2Oを読んだときに 最初に頭に浮かんだのは北海道の不正献金問題、大分の情実に絡んだ新人教員の採用などだった。
大分の件ではマスコミは日教組のことはあまり報道していなかったように感じられるが、やはり日教組の力が働いていたのではないだろうか?たぶんそうだと思う。私が小学校のころは選挙になると担任の教師がきて「社会党をよろしく」と戸別訪問していたことが思い出される。たぶん今であれば大問題だろうな~。そういえば大分は九州の中では珍しく民主党、社民党が強いのだ。
まったく教育には関わりのない私が日教組をとやかく言う資格はないのかもしれないが、日教組が主張している、国歌国旗掲揚の問題、学力テストの反対、夫婦別姓問題など 私には理解できない。

先日文科省より発表された日教組の加入率は26%台で毎年少しずつ加入率は落ちてはいるが、新人教員の加入率は横這いなのでこのままでいけばこれ以上落ちることはなさそうだ。もしかして民主党政権が続けば少しは上がるかもしれない。
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『凶悪―ある死刑囚の告発』
2011-01-14 Fri
凶悪
『凶悪―ある死刑囚の告発』 新潮文庫 「新潮45」編集部 (編集)

ノンフクションノベル。殺人を犯した後藤死刑囚が獄中から著者と接見し、刑に問われた事件以外にも依頼を受け殺人を犯したしたことを暴露。
その後、著者は4年半の歳月をかけその暴露した内容の詳細な調査を始める。最初は薬物中毒に犯された元暴力団組員の戯言かもしれないと思いながら調査を始めるが、次第に確信にあたいするのではないかと思い始める。そして「新潮45」で記事にしたところ世間も注目を集め週刊誌や大手新聞社も報道するようになった。現在殺人を依頼した主謀者は無期懲役の刑を受け結審に到る。
主謀者に周りには複数の不審死があるが、保険金目当ての殺人のみしか検察は立件できなかったため死刑ではなく無期懲役になったようだ。
以前に『冷血 新潮社文庫 トルーマン カポーティ(著)』の本を読んだが、それに勝るともとも劣らない驚愕の内容である。
ミステリー小説では味わえないリアリティーがあり恐怖さえ感じる内容である。
この「新潮45」の記事が世間に報道されなければ主謀者は完全犯罪をしたことになり今でも金持ちの一般市民として生活していただろう。
改めて報道の意義を見出せた内容であった。

たぶんこの主謀者のように、複数の人間を殺めたにも関わらず世間で普通に暮らしている人って日本には何人もいるんだろうな~。
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『無知との遭遇』
2011-01-12 Wed
無知との遭遇

『無知との遭遇』 小学館101新書 落合 信彦 (著)

相変わらずの日本人への厳しい批判、以前に読んだ『恥の殿堂』の続きみたいな内容。
日本は島国であるため井の中の蛙状態で世界が見えていない、よって無知である。もっと日本人は英語を話すべきだとも。楽天やユニクロなど社内の公用語を英語としたことに対し、著者は非常に評価している。
ちょっと私にには疑問ではある。英語が重要なのは大変良く理解できるが、相手の感情や真意までも汲み取れるような英語を
日本人に求めるのは無理があるかも?世界で勝ち残っていくためには英語が必要不可欠だと言っている。
私はそもそも「世界の中で日本が勝ち残って行く」といった考え方がもう今の日本では限界かもしれない。
一度堕ちるところまで堕ちて そこから再起を図るしかないかもしれない。
そろそろ日本も「経済大国」なんて言葉は使用禁止にしたほうがよいかも。いまや日本は「高齢者大国第1位」なのだから。
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『インテリジェンス人間論』 
2011-01-07 Fri
インテリジェンス人間論
『インテリジェンス人間論』 新潮文庫 佐藤 優 (著)

著者が何故これほどまでに鈴木宗男氏を信頼しているのか不思議ではあるが、北方領土問題の関係で両者とも逮捕されていて、お互い相手を売っていないところを見るとそれだけ信頼関係が厚いのであろう。
「命を賭してこの問題に取り組みたい」と言う口ばっかりの政治家が多いい中で、この鈴木宗男氏だけは口先だけではなく本当に命を賭して北方問題に取り組んだ政治家として著者は鈴木氏を尊敬しているのかもしれない。
田中真紀子のことは能力のない政治家として書いてはあるが、小泉政権のときに田中真紀子外相との関係も影響し2人とも逮捕されているので、小泉憎しと思いきや小泉元首相の悪口は書いていないので、少しはこの本の評価も上がっているように思う。
自画自賛的なところもあるが、もし本当に著者が諜報に関する能力があるのであれば著者を逮捕したことによる政府の損失は大きいのではないだろうか?とくに北方領土問題に関しては。
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『偽証』
2011-01-04 Tue
偽証
『偽証』 実業之日本社文庫 深谷 忠記 (著)

女性弁護士を主人公にした法廷ミステリー小説。
ストーリーとしては可もなく不可もなくといったところか、でもインパクトが足りない気がする。
現代社会の問題を提起する内容でもないし、日本の裁判制度について問題を投げかけているわけでもない。
私としては作者の意図が感じられない内容であった。
もう少し奥深い内容を期待していただけに、私としては期待外れであった。
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