日々の読書記録など
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『戦争の法』
2009-07-31 Fri
戦争の法
『戦争の法』  文春文庫  佐藤 亜紀 (著)

悪巫山戯(わるふざけ)や出鱈目(でたらめ)などの普通には使わない漢字が多用されているため私にとっては非常に読みにくい小説であった。
1975年日本海側のN**県がある日突然独立宣言を行いソ連の援護のもと共産国家となる。
当時中学生であった主人公は山へ逃げ込みゲリラ部隊と行動をともにするようになる。
今は図書館に勤めている平和主義者の主人公が15年前の中学生の時代にソ連と戦争したことを回想録風に語っている。つまりこの小説はゲリラ活動の手記といったかたちなので 常に一人称で語られているだ。(ゆえに読みづらい)
そして「戦争」を利用して一儲けしようとしている人々(ある面では人間の本質)のことを描いているのだ。戦争を題材にした小説ではあるが、「正義、悪」「思想、主義」「敵、味方」などの言葉がでてこない、ちょっと変わった戦争小説である。
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『陪審法廷』
2009-07-22 Wed
陪審法廷
『陪審法廷』 講談社文庫 楡 周平 (著)
アメリカに住む15歳の少年が、恋人である同級生が父親の虐待されていることを打ち明けられ、その父親を拳銃で殺害してしまう。アメリカの法律では第一級殺人であれば終身刑であり二級であれば短くても25年以上の刑期。しして陪審委員たちが有罪か無罪かを討議する。
サスペンスとしてはそれほどおもしろい内容ではないがアメリカと日本の法律の違いや、日本で導入された裁判員制度を考えるのにはちょうどよい教科書である。
アメリカの陪審制度は有罪か無罪かの選択のみで非常にシンプル。ゆえに日本のように情状酌量の余地はないのだ。
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『誓いの夏から』
2009-07-21 Tue
誓いの夏から
『誓いの夏から』 光文社文庫 永瀬 隼介 (著)
19年前におきた凄惨な一家殺害事件。既に時効となってしまった事件だが当時高校生だった主人公は刑事となり未だに事件の真相を追い求めている。そんなある日、中国人の殺害事件をきっかけに19年前の事件との関係が明らかにされていく。
惹きこまれ度はあるかな、スラスラと読めてしまった。著者は元週刊誌向けのジャーナリストで、刑事事件に関わるノンフィクションも出版しているのでこの小説の題材となる事件も書かれているようだ。
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『流星ワゴン』
2009-07-16 Thu
流星ワゴン
『流星ワゴン』 講談社文庫 重松 清 (著)
息子は登校拒否、妻からは離婚を迫られ本人は会社からリストラされされるはめに。
将来を悲観した主人公は帰宅途中に過去にタイムスリップしてしまう。
過去で見たものは 今まで見たことのなかった息子や妻の本当の姿、そして今の自分の年齢と同じ若々しい親父に会い仲違いしていた親父との関係を修復していく。
ハッピーエンドで終わる小説ではないが、でも暗い小説でもない。
それは過去で遭遇する父親との会話が内容の暗さをカバーしているからだろう。
親父が自分と同じ歳のころは何を考えていたのだろうとふと考えてしまった。
親子の関係、家族の関係をあらためて考えさせられる、そして心の休息にはちょうどよい一冊である。
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『天才脳は「発達障害」から生まれる』
2009-07-13 Mon
天才脳
『天才脳は「発達障害」から生まれる』 PHP新書 正高 信男 (著)
著者(京都大学霊長類研究所教授)の取り上げている天才とは下記のとうり。(Amazonより抜粋)

【特異な生涯を送った5人の天才たち】
CASE1 キレやすい信長
CASE2 かたづけられない北斎
CASE3 てんかんもちの熊楠
CASE4 野口英世の放蕩癖
CASE5 サバイバーとしての中内功

つまり現在でいえば生活破綻者ということだろう。
野口英世は数という概念が欠如していたようで、当然今の世の中では医者には絶対になれなかった(試験に合格しない)人物であったようだ。しかし、明治の時代は数学ができなくても医者にはなれたようだ。千円札の肖像に使われているのが皮肉なことである。
借金に借金を重ね逃げるようにアメリカに渡り終生日本以外で研究し続けたのには、日本に戻れない理由があったように感じられる。
野口英世のように 九九やそろばんはできたとしても 自分が借金をした場合、将来の返済や利子などが数字として考えられない、つまり実生活のなかで数字がまったく利用できない人々がいるようだ。サラ金地獄に陥っている人々の中にはそのように 数字を扱う脳の一部に障害があることが多いいそうだ。しかしその一部の脳の欠陥を、違う機能を司る脳の部分が補うことにより突如として天才と云われる人間が現れるようだ。
私のような凡人は、普通が一番である。
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『日本の難点』
2009-07-10 Fri
日本の難点
『日本の難点』 幻冬舎新書 宮台 真司 (著)

本書の帯に「これは救国の書です」と自画自賛しているのだ。
また終わりには「これ以上ないくらいに解りやすく書いている」とある。
これを理解できないのは読者が馬鹿であるといいたいのであろう。
著者から言わせれば私は馬鹿の部類なのだろう。
また大学教授である著者は自分の講義は非常に人気があり他の大学の学生も集まってくると記されている。ゆえに読んでいてこの自画自賛の箇所が気になってしかたないのだ。
非常に理解・同意できる箇所もあれば 難解な箇所も多々あるように思う。
特に私がなるほどと思ったのはアメリカに関して記述しているところで
アメリカという国は何をするにしても必ずエビデンス(証拠)を必要とする国だということ。
ほんと外資の会社で仕事をしていると、そのことに関してはつくづく痛感されてしまう。
何をするにしてもそのプロセスの過程にあるゲートを通過するためにはエビデンスを伴う儀式が必要なのである。それは殆ど何の役にも立たないのは誰もがわかっていることなのだがその儀式を通して各々の責任分担を明確にしているのだ。
で結果としていい成果が得られるかといえば、いわずもがな
日本の品質とアメリカの品質を考えれば自明なことである。

このような人に限って 内閣の主催する諮問委員会とか審議会とかに呼ばれたら嬉々として参加しそうな気がする。
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『テロリズムの罠 左巻』
2009-07-06 Mon
レロリズムの罠左
『テロリズムの罠 左巻』 角川oneテーマ21 佐藤 優 (著)
前回「右巻」を読んだのでそれと比較すると今回の「左巻」のほうが読みやすい。
引用している文献が読みやすいというのもあるが、著者の書き方に慣れたのかもしれない。
右巻が応用編もしくは海外編ならば今回の左巻は基礎編もしくは国内編といった感じだと思う。
もしろん左巻からよむことをお勧め。
著者の経験に元づいた深い洞察が伺える。
これから国政を担おうと考えているタレント議員諸氏たちにはぜひとも読んでいただきたと思う。
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『護憲派の一分』
2009-07-02 Thu
護憲派の一分
『護憲派の一分』 角川oneテーマ21 土井 たか子 (著), 佐高 信 (著)
元社会党の党首土井氏と評論家佐高氏の対談集。
お互い相思相愛の仲なのだろう、土井氏の礼賛ばかり面白みがない。
もし護憲党なるものがあれば土井氏は党首にふさわしい人物だろう。
北朝鮮問題にも触れているが、社民党は第三者的立場のような言い方をしているし、今の社民党がここまで議席を減らしたのも自分にはあまり非がないようなことを言っている。一時期党首時代に党の議席を増やし「山は動いた」みたいなことを言っていたように記憶しているが、今の社民党の凋落の原因は元党首の責任が非常に大きいのではないだろうか。
元憲法学者だけあり護憲に関する考えは理解できるが、憲法ばかりでは国民の支持を得るのは困難だろう。社民党の現党首も土井氏の呪縛から逃れそろそろ軌道修正しないといけないのでは。高校の生徒会ではないのだからこのままでは党の将来はないように思う。
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『金のゆりかご』
2009-07-01 Wed
金のゆりかご
『金のゆりかご』 集英社文庫 北川 歩実 (著)
主人公はタクシーの運転手。医師でもあり大学教授でもある父親は天才を作る「金のゆりかご」と呼ばれる装置を発明し、幼児期の主人公はその実験台にされていた。当時は天才といわれていたが今ではその面影もない。ところがある日突然に、その天才幼児を育成する幼児開発センターよりセンターの幹部としての入社を依頼される。何故自分がセンターの幹部なのか、勤めていくうちに9年前に起きた事故が明らかになっていく、、

実際には脳の働きを幼児期に活発にするとかいった装置はないと思うが、早期からの幼児教育といったことはよく聞きもするし見もすること。スポーツの世界ではそれがあたりまえにはなっているが、
何をもって天才、秀才とか知能が高いかかを判別するのは難しいと思う。
幼児なのに世界地図の地名が言えたり百人一首が言えたり暗算ができたりと、なかには大学入試の問題が解ける子供もいると思うが、それが将来社会のために貢献している大人になっているだろうか、、、そうあってほしいと思うが、、
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