日々の読書記録など
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『獄窓記』
2008-02-29 Fri
獄窓記

著者は元民主党の国会議員。秘書給与詐取により懲役1年半の実刑判決を受け刑務所に服役した経歴をもつ。その獄中での経験を綴った内容。
同じく秘書給与を騙しとったとして社民党の辻元議員は執行猶予付きの懲役2年なので著者も控訴すれば実刑を免れていたのかもしれない。でも著者はそれを潔しとはせず実刑に服したと記している。たぶん一罰百戒の意味も含めスケープゴートとして実刑という思い判決になったのではないだろうか? この秘書給与に関しては多くの議員が行っていたことであり本人も管直人議員の秘書をしている時代に教わったようだ。まあ国会議員なので重い判決はしかたないのかもしれない。ちなみに両方とも利子を含め国にお金を返還している。
本文は手紙や会話などが多用されているので非常に読みやすい。
獄中での仕事は、身体や精神に不自由のある服役者(聾唖者や痴呆、精神異常者)の下の世話から食事の世話をすることで、つまりは毎日糞尿まみれで掃除とオムツを交換していたことが記されている。最初は嫌でしかたのなかった仕事が、だんだんと福祉に目覚めていき日本の刑務所の実態と問題点などにも考えが及んでいく様子がうまく表現されているように思う。それにしても数多くの精神病をもった服役者が医療刑務所ではなく普通の刑務所にいるのが驚きである。逆に精神病を患っているからこそ犯罪を犯し服役しているのだともいえる。
服役中に辻元議員の詐称疑惑が発生し、彼女は著者を引き合いに出し散々マスコミに自分は無実であると言っており、そのことに対しそうとう筆者は怒った模様。その彼女への反論に多くのページがさかれている。結果的に彼女も有罪になったのだから、言わずもがなであるが。
解説にも書いてあったが、「我々みたいな障害者や恵まれない者にとってみれば獄中こそが天国であり、シャバは地獄だ」と書いてある。日本では釈放後のサポートがないため、身元引受人のいないこのような人々が再犯を繰り返すのは容易に推察できる。
著者はいまのところ国会に復帰する予定はなく、障害をもつ犯罪者の社会復帰を支援する仕事をしているとのこと。
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『火の粉』
2008-02-26 Tue
火の粉

『火の粉』 幻冬舎文庫) 雫井 脩介 (著)

隣人を殺害したとされた容疑者が、裁判で証拠不十分として無罪となる。(ロス疑惑みたい)
冤罪事件の審理を行った裁判官は寝たきりの母の介護のため退官し息子夫婦と同居を始める。そしてその隣家に偶然にも無罪となった容疑者が引っ越してくる。
その後、元裁判官の一家にへんなことが起こり始める。
物語は隣人がほんとうに冤罪だったのか それとも冤罪ではなかったのか 
読者にもわかないまま進んでいくのだが、最初から犯人がわかった
状態でストーリが進んでも読むに耐える内容だと思う。
元裁判官一家に起きる不可解な事件が次第にエスカレートしていき読んでいてだんだんと惹きこまれる。
また犯人も知能犯とか二重人格者とかではなくごく一般の人間として描かれており 
そこがまた現実味を帯びていて読んでいて惹きこまれる一因でもある。
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『ヤクザと日本』
2008-02-21 Thu
やくざと日本

『ヤクザと日本』 ちくま新書 宮崎 学 (著)
著者はヤクザ肯定論者。我々一般庶民はヤクザ=暴力団といったイメージに捉えがちではあるが、本書ではヤクザと限定したものであり暴力団とは言っていない。
著者の定義するヤクザとはその地域に根ざした地域の揉め事を調整する顔役といったところ。
ヤクザも最終的には暴力を背景とした強制的な実行を伴うクループと定義しているので同じようなものだと思ってしまう。
江戸時代、戦前、戦後 その時代を背景にしたヤクザの成り立ちを説明し、国家や資本と一般庶民の間の法律では埋められない歪みをヤクザが弱者の庶民側に立って実力行使でその隙間を埋めてきたのでヤクザは必要だと言っている。
簡単に言えば、会社と従業員の間に齟齬が生じた場合の調整として、法律、労働組合や派遣会社などがあるのだが、前後まもないころはそのような法も整備されていないためヤクザが必要不可欠だったと言っている。私には組合や派遣会社などもヤクザと同じだと読めてしまう。国家対国家の交渉も軍事力を背景としてるので著者の理論もわからないではない。
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『ハゲタカII(上)(下)』
2008-02-14 Thu
ハゲタカII

『ハゲタカII(上)(下)』 講談社文庫 真山 仁 (著)
NHKでもドラマ化された「ハゲタカ」の続編。「ハゲタカ II」単独で読んでもいいのだろうがやはり最初の「ハゲタカ」を読んでいないと面白みは沸いてこないと思う。
前作品では外資系ファンドの鷲津vs日本ファンドの芝野の買収合戦みたいな構図であったが今回はアメリカvs日本の構図となっており鷲津と芝野が一緒になって巨大アメリカファンドと闘うストーリーとなっている。
私としては前作のようにクールで頭のきれる悪役に徹した鷲津であってもらいたかったのだが今回は悪役ではないところが少し不満。(ゴッド・ファーザーのビト・コルリオーネみたいな悪役でいて欲しかったのにな~残念)
前作でおもしろいと感じた方にはこの「ハゲタカII」もお薦めだと思う。
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『モテたい理由』
2008-02-06 Wed
モテたい理由

『モテたい理由』講談社現代新書 赤坂 真理 (著)
久々に買って失敗したと思った本。世の中「萌え」と同じように「モテ」という言葉も流行っているそうだが、私にはこの本を読んでも「モテ」の定義が理解できなかった。
著者は自身のことを女性雑誌ウオッチャーだと言っている。それもかなりウオッチャーだそうです。ゆえに本書の半分は女性雑誌(JJとかCanCam)の評論。私は一度もそのような雑誌を読んだことのないので「モテ」が理解できなくても当然なのかも。
書店では数々の女性雑誌が売られているが本当に多くの女性から読まれているのだろうか?通勤電車の中でこのような雑誌を読んでいる人見かけたことないけどな~?それとも電車内では読んではいけない雑誌なのだろうか?
著者(女性)から見た男性の評価の内容は理解できたが、少し穿った見方をしすぎる傾向が
あるように思える。亀田一家の世間(マスコミ)からのバッシング、野球の斉藤祐樹、韓国ドラマなど時間軸がバラバラでこじつけに近い論評。まあ女性からみた男性像ということではおもしろく読めるのかもしれないが。
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『半落ち』
2008-02-04 Mon
半落ち

『半落ち』 講談社文庫 横山 秀夫 (著)


映画化もされた小説ではあるので、面白いと感じている読者が多数なのだろうが、私としては消化不良かな。
現役警察官が妻を殺害後、自首するまでの空白の2日間の謎を解明していくのが、この小説の主題でありそして最後にこの謎が解ける感動のラストになるのであろう。私はそこまで感動はなかったのだが。しかしもう一つのテーマは白血病とアルツハイマーといった社会的な問題を扱っている。作者の意図としてはドナーとか介護といった問題を読者に投げかけているのかもしれないが、その部分に関しては説明不足や調査不足といった感じがする。
以前に読んだ『クライマーズ・ハイ』が面白かっただけに少し期待はずれ。『クライマーズ・ハイ』の場合は、元新聞記者の作者だけあってリアル感があってよかったのだが。この小説にしても警察、検察、新聞記者の描写は細かいのだが、、、、、おしい、、、。やはり娯楽本として深くは考えずに読むべきなのか。
また、読み出して直ぐに気になったのが、W県A市K駅、B裁判所などの地理名なので読んでいていまいち。 つまり、私としてはこの本の引き込まれ度が半減(半落ち?)かな。
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