日々の読書記録など
<
『夕張問題』
2007-07-31 Tue
夕張問題

『夕張問題』 祥伝社新書 鷲田小彌太(著)

採炭開始前年は人口300人の夕張市が、最盛期には11万人以上に人口が増え現在は1万強の人口しかいない。現在の生活保護率は30%弱。ちなみに全国平均11%だそうで、この数字にも驚かされる。福岡県は北海道に次ぐ生活保護率の高い県だそうでやはり閉山した影響はまぬがれない。
財政破綻の直接的な原因は1万の人口にも関わらず、長年の国からの閉山による財政補助と不正会計により10万人規模の財政運営を前年まで続けてきたことである。
しかしこれを読むと夕張だけの問題ではなく日本全体の問題であることがわかる。必要なときだけ使っておいて不必要になれば切り捨てるしかなく財政再建への具体的な道筋がたたない状況。市民はなにも悪くはないが市民生活に影響を及ぼすのは必至。
このような生活を強いられる夕張市民に対し同情しそうになってしまう。しかし今までの財政赤字の数字を見るとそのような気持ちも吹き飛んでしまう。数字とは客観性があるだけに冷酷なものだ。
夕張市もあと数年で高齢者数率が50%以上になるという。日本にはまだまだ第二、第三の夕張があるだろう。
スポンサーサイト
別窓 | 未分類 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
『樅の木は残った』
2007-07-30 Mon
樅の木は残った

『樅の木は残った』 新潮文庫 山本周五郎(著)

山本周五郎の代表的な長編小説。伊達家のお家騒動の話、現代で言えば
国の高級官僚からいじめられる地方公務員といったところ。
作者の人生哲学が色濃く出ている作品だと思う。自己を犠牲にしてでも
自分達の組織(国)を守り抜く姿勢。20年前ではサラリーマンの鏡だったかもしれないが腐敗した官庁や企業がニュースになる現代では自己犠牲といった言葉自体が陳腐化しているのかもしれない。
逆に今の時代だからこそ、このような精神が尊ばれるべきではないかといった感じもするが。読み方により色々考えさられる本だと思う。
別窓 | 未分類 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
『データはウソをつく』
2007-07-25 Wed
データはウソをつく

『データはウソをつく』谷岡一郎(著)ちくまプリマー新書
TVや新聞でよく報道される世論調査のデータには嘘があると言っている。結論ありきでその答を誘導するようなアンケート調査。その嘘のデータを鵜呑みにする人間になるのか、またはその嘘を読み取れる人間になるのか? 作者は中高生に向けデータの嘘を見抜ける教養ある大人になってもらいたいと語っている。
以前に朝日新聞のCMでジミー大西が何か難しそうな事を言った後で、「まぁ、朝日新聞の受け売りですけど」と言ったのを思い出してしまった、つまりこのような人間にはなるなってことを言っている。
中高生向きの新書なので2時間たらずで読めてしまう。今週末は参院選、結果をみてTV解説者がどのように言い訳?するか見てみよう。
別窓 | 未分類 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
『現代中国の産業』
2007-07-17 Tue
現代中国の産業

『現代中国の産業』 中公新書 丸川知雄(著)

今や中国は車の生産台数では世界第2位、そんな中国産業の表と裏の面を記している。その中でも家電、携帯電話および自動車産業に焦点をあてている。
どの産業でもそうだが外見はMADE IN CHINAでも中の部品の殆どが海外製品とのこと。車のエンジンにしても外資系メーカーのエンジンを使ったりコピーしたりしているため、同じエンジンを使用しているかぎり会社は違えど殆ど外見の似た車しかでないようである。
そして性能も同じ外見も同じようなものであれば、後は価格競争しかないので、中国企業はこの薄利多売の競争に陥ってしまう。
中国には自動車メーカーが100社以上あるが国が後ろでささえているので倒産はしないみたい。
何故中国にはコピー商品が多いのか? この本を読めばそれがよく分かるでしょう。
今後も中国はこのような産業形態で大きく発展していくと思われるが
いつかは見直しの時がくるかもしれない。
別窓 | 未分類 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
『農のある人生』
2007-07-06 Fri
農のある人生

『農のある人生』 中公新書 瀧井宏臣(著)

マンションのベランダを利用した菜園から脱サラをして農業を営む個人やNPOなどの団体をルポした本。主に都心近郊にある遊休農地を利用して週末だけ野菜や米などの作物を作るNPO法人などの紹介が多かった。最近は団塊世代の退職者が年金をもらいながら趣味と実益を兼ねてこのように農業をする人が増えているそうです。
この本で紹介されている人たちは「健康になった、仕事以外の人間関係が増えた」などいいことばかり紹介されていますが、お金と時間に余裕がなければ大変なのかもしれません。ゆえに本書では農業以外の安定した収入があった上で趣味程度での農業を勧めています。

今の日本では個人が農業だけで生計を立てるのは非常に困難な現状で、もし一から農業を始めるには資金約3000万と2,3年の生活費がないとやっていけないそうです。そして4年目あたりから年100万くらい稼げればいいほうだと書いています。
最近ベストライフのCMで「私達看護師はこの国の介護の未来が見えません、、、、」みたいなことが流れていたけど、農業はもう何十年も前からこの国の未来が見えていないように思う。
なにせ食料自給率40%の国なのだから。
別窓 | 未分類 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
『生物と無生物のあいだ』
2007-07-04 Wed
生物と無生物

『生物と無生物のあいだ』 講談社現代新書 福岡伸一(著)

久々の感動。
「生命とは何か」この難しそうなテーマで読みにくいのかと思いきやスラスラと読めてしまった。DNA,RNAやES細胞などの専門用語が頻繁に使われてはいるが、この本の読み易さは、各章が短くまた章の最初は一般的な例をあげて説明したりなど、非常に文章構成がよいためだと思う。
文章全体を通して著者の分子生物研究への非常に熱い思いが伝わってきます。そしてそれは神聖なる神の世界を覗き込むような研究であるように思われます。
我々生きとし生けるものは全て奇跡に近い平衡な特性の中で細胞の崩壊と生成を休むことなく繰り返しているということであり、その平衡が崩れた先に死があるということ。命の大事さをあらためて思い知らされるともに地球環境までも考えさせられてしまう。
私の中では名著になりえる一冊です。
別窓 | 未分類 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
『失格社員』
2007-07-02 Mon
失格社員

『失格社員』新潮文庫 江上剛(著)
11作の短編集。以前もブログで書いたが作者は元みずほ銀行の支店長。以前読んだ『起死回生』などは銀行に勤めていなければ書けないような内容で非常にリアル感があったのだが、さすがに銀行の話ばかりだと飽きてしまう。この作者もそろそろ違う業界のことでも書いてもらわないと私は読む気がしない。
別窓 | 未分類 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
| 読書日記 |