
『海馬の尻尾』 光文社文庫 荻原 浩 (著) ★★★★☆
他人への暴力、恐怖心を感じない反社会性パーソナリティ障害と診断された凶暴な性格を持つ主人公。
所属する暴力団組織の頭は、手に負えない主人公に、脳科学研究付属の病院での8週間のリハビリを勧める。
最初はアルコール依存症で苦しむ主人公であったが、次第に自分たち患者が新薬の治験のモルモットであることにきずく。
しかもその新薬を投与された患者たちがだんだんと症状が悪化していくのだ。
主人公はこの刑務所のような閉鎖病棟からの脱出を試みる。
たまには、著者の笑える爽快感のある小説も読んでみたいな。